【配信再開】まずは「預貸金増減動向」の確認から始めよう!

全銀協の速報値ベースではあるものの、7月の全国銀行 国内全店分の預貸ギャップ額(総預金・NCD−貸出金)は、 360.8兆円と前月比で0.6兆円(▲0.2%)の減少となった。

5月の過去最高額363.8兆円からは3.2兆円(▲0.9%)の減少であり、預貸ギャップ額の急拡大は一段落した感がある。

だが、前年同月比では45.4兆円(+14.4%)もの増加であり、COVID-19パンデミック下での預貸ギャップ額の拡大がいかに凄まじいものであったかを物語る。

下掲の資料は、全銀協(左グラフ)と日銀(右グラフ)の預貸金速報値の前年同月比増減率推移を示したものだ。

※ 当資料は、トリグラフ・リサーチ株式会社の文書による事前の同意がない限り、その全部または一部をコピーすることや、配布する事は一切できません。

両統計共に貸出金増加率は足元、急速に低下しつつあり、全銀協(末残ベース)統計では、既に2ヶ月連続での減少に転じている。

預金増加率も低下傾向にあるが、その水準は依然として高水準であり、預貸金増減率の乖離幅(左グラフ:ブルー、右グラフ:グレー)は高止まりしている。

これは、急拡大した預貸ギャップ額が、一気に縮小するような状況にはないことを示唆している。

私は1989年5月に「銀行アナリスト稼業」をスタートし既に33年目を迎えたが、2020年度以降の預貸金の急増は、リーマン・ショック後を上回る「未曾有の領域」にあったと認識している。

そして、わずか1年半にも満たない期間で、我が国銀行のバランスシートは肥大(水膨れ)し、その構造も劇的に変化してしまった。

この「銀行バランスシートの肥大と構造変化」については、包括的な整理と評価が必要であると考えている。

『銀行業界鳥瞰図』の配信を約8ヵ月ぶり再開するに際して、従来の銀行業界マクロ統計の月次更新に対する「拘り(こだわり)」は捨てる事に決めた。

長期的な視点での分析や個別銀行の経営パフォーマンス比較等も織り交ぜつつ、より柔軟な視点から「本音ベース」の情報発信をして行きたいと思う。

勿論、「気紛れに」ではあるが…