「隣の芝生」は間違いなく青い!—②金融業界の中での「狭くて貧しい銀行村」

昨日は、東証33業種全体を対象に、銀行業がいかに収益力(資本効率)と市場評価が低いかを確認したが、実は対象をわざわざ「全業種」に拡大するまでもない。

「金融業界」の中にも「青い芝生」は広がっているのだ。それを示すために、東洋経済の60業種区分をベースに「広義金融セクター」なる業種概念(詳細は図表注記参照)を設定。

その上で、実績PBRと今期予想ROEが収録されている企業の内、時価総額上位100社を対象に今期予想ROE(X軸)と実績PBR(Y軸)のXYプロット図を作成して、最近の講演でローンチした。↓

銀行セクターにおいても、ROEとPBRの正の相関関係は極めて強いが、それを広義金融セクターに拡張して分析すると「説明力(R2」はさらに強まる。

そして残念ながら「銀行業」に属する企業のほとんどすべては、「ROE6%以下、PBR1.0倍以下」という全体図(左図)の左下の「(収益的には)狭くて貧しい世界」の住人である事が確認できるのだ。

さらに、この「左下の世界(右図)」に限定した切り出し図からは、かなりの数の銀行のポジションが回帰線の左上方に位置している事がわかる。

これによって、一見すると極めて市場評価が低いように思える銀行も「金融村全体のルール(予想ROEと実績PBRの回帰式)」からすれば、実は「過大評価(Overvalue)」であるという「残酷な事実」が浮かび上がる。

シンプルであるが、昨日と今日のたった2枚のグラフから「何を感じとり、どう経営戦略に反映させようとするか」によって、これからの時代を勝ち(生き)残って行く上での「銀行経営者(或いは、金融人)」としての適性や資質が問われるのではないかと思う。

そういった意味で、講演での質疑応答や反応が楽しみな資料なのだ。

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