「38年前の銀行業界」を振り返る ② — 資本は5.69倍、貸出金は3.09倍になった

今週も来週も講演の予定が入っているので、横道に逸れた仕事をする時間の余裕はないのだが、1983年3月期版の「全国銀行財務諸表分析」をパラパラと眺めていたら、不必要な好奇心が湧いてきた。

まずは、預貸金残高はどの位だったかな? 預金は242.7兆円、貸出金は191.7兆円だった(以下、全国銀行全店ベース銀行勘定の計数)。と言うことは「預貸ギャップ額」は51.0兆円で、預貸ギャップ率は21.0%だな。有価証券は49.8兆円、総資産が364.8兆円、資本合計が8.5兆円だった。

2020年3月期のデータを並べると、預金842.8兆円、貸出金 592.9兆円、預貸ギャップ額 249.9兆円、預貸ギャップ率 29.7%、有価証券 218.9兆円、総資産 1,199.4兆円、純資産 56.5兆円だ。おっとイケない、1983年3月期は Mark-to-market導入前だから株主資本ベースで比較しなくちゃ駄目だな。そうすると 48.4兆円か。

38年で何倍になったかな? 順に、3.47倍、3.09倍、4.90倍、8.7%ポイント悪化(ひどいな…)、4.40倍、3.29倍、5.69倍だ。増加倍率では、預貸ギャップが1番高いだろうとだろうと事前に予想していたのだが、予想は外れて「資本」がダントツのトップだった。

そうか、1983年3月期はバーゼル規制導入前だから、現在よりもはるかにレバレッジが効いた経営だったんだな… そして、伸び率最下位は予想通り貸出金だった。

しかしまあ、これだけバランスシート項目の残高が増える中、店舗数は43%増、役職員は25%減なのだから「1店舗当たり」或いは「役職員1人当たり」の数字は、少なくともバランスシート的には劇的に高まった事になる。

でも、大切なのは、1店舗当たり、1人当たりの収益性なんだよな…

面白くなって1983年3月期版の「全国銀行財務諸表分析」の数字を色々とチェックしてしまった。黄ばんだページの色が38年間の歴史を物語っている。

—1000号まで残り23本