「38年前の銀行業界」を振り返る ① — 店舗数は4割強増えて、役職員数は25%減

ちょっとした書き物のために、銀行業界の従業員数と店舗数のなるべく古いデータが必要になった。

個別銀行の財務諸表や主要指標等については、すべての銀行について過去35年分程度は完備しているが、全体の集計値がすぐに利用可能なものは20年程度しか作成していない。20年程度じゃ全然足らないんだよな…

こういう時には、弊社(私)には「強い味方」がある。全銀協「全国銀行財務諸表分析」の蔵書である。

銀行アナリスト稼業を始めたのは1989年(平成元年)の5月だが、凝り性の私は表計算ソフト(当時は Multiplan、その後は Lotus 1-2-3、そして Excel)になるべく大量のデータをストックしたいと思い、アナリストになってすぐに、身銭を切って「全国銀行財務諸表分析」のあるだけすべてのバックナンバーを購入した。

そのため、アナリスト稼業を始める前の時期についても保有しているのだ。身銭を切って購入した物だから、その後、何回も転職したが、常に私の傍らにあって「強い味方」であった。

オフィスには何年分から置いてあったかな? 書棚を探してみたら昭和57年度決算版が一番古かった。1983年3月期決算だから、38年前のデータか。出来れば40年前がよかったな…

早速、店舗数を調べると国内外の本支店出張所を合わせて9,559店舗だった。役職員数は384,021だった。あれっ、思っていたよりも役職員数はちょっと多いな。1店舗当たりの平均役職員数は、ほぼ40名だ。

これに対して、2020年3月期末は13,661店舗、287,609名で、1店舗当たりは役職員数は21名。店舗数は43%増えて、役職員は25%減少、1店舗当たり役職員数は、ほぼ半分になったわけだ。

10年後の銀行業界をイメージした。役職員数は2~3割減が適正水準だろうな(実現出来るかどうかは別として)。22万人程度がひとつの目安だろうか?

問題は、店舗数の方だ。DX化が一気に進み、対面型店舗の必要性がなくなれば「激減」している公算が大である。

一方で、AI、RPA等を活用した「新世代型軽量店舗」が主流になれば、逆に店舗数は大きく増えて1店舗当たりの職員数が2~3人になっているシナリオも否定できない。

結局は「対面営業」なるものが、With COVID-19時代に、いかなる付加価値を生み出すかがポイントになってくる。そうなると主戦場は「人財力」か。本当に「面白い時代」に突入したな!

「過去から学び、今日のために生き、未来に対して希望をもつ。大切なことは、何も疑問を持たない状態に陥らないことである。」というアインシュタインの名言が、ふと頭に浮かんだ。

どんな時代でも全銀協の「全国銀行財務諸表分析」は銀行アナリストの強い味方だ! 左は、八ヶ岳オフィスにある最も古い1983年3月期決算版、右が最新の2020年3月期版。

—1000号まで残り24本