銀行マクロ統計在庫一掃処分祭 ① — いくら貸出が伸びても儲からない「都市銀行」

昨年11月から弊社の情報配信体制の大幅な見直しを実施し、その準備(リハビリ)も兼ねて、10月から『銀行業界鳥瞰図』も月間20本を目途とした情報発信を続けて来た。そして、6月まで9ヶ月連続でしっかりと「公約」を達成。

だが、COVID-19パンデミックで「世の中」は既に大きく変わってしまった。さらに襲いかかってくる中国の豚インフルエンザにカザフスタンの新型感染症。これらの真偽は明らかではないが「新型ウィルスと人類の闘い」は、まだ序章のようだ。また、巨大地震や巨大台風など自然災害のリスクは深刻さを加速度的に増している。

要は「やたらと動き回るな。必要以上に人と接するな。」と地球が人類に警告を発しているしか思えない。これは「全国の地域銀行を旅芸人のように訪問し年間200回以上の講演をこなす」というビジネスモデルであった我が社にとっては「大いなる脅威」である。

まあでも、地球を相手に勝ち目のない闘いを挑むなんて無駄な事をする気は毛頭ない。性に合わないしお洒落じゃないからだ。世界が変わったのだから、ビジネスモデルを変えれば良いだけの事だ。そんなわけなので、今月で10ヵ月続いた現行『銀行業界鳥瞰図』の配信スタイルも、9月から一新する準備を進めている。
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来週からは新しい講演資料の作成でさらに多忙になるので、今日から「在庫一掃処分祭」として、未配信の資料を一気に放出する事に決めた。今月の配信本数はまだ5本なので、早急に「月20本」の公約を達成してしまおう!

まずはお馴染み「国内貸出業務の収益性推移図」からとしよう。↓

PDF File: BEV-2020-0715-1

ポイントは、

①足元の新規貸出約定金利の急低下(別資料で詳述)を受けて、都市銀行のストックベースの貸出約定金利(価格効果)は5月に前年同月比で▲10.5%と大幅に低下。10%を上回る低下となったのは2017年1月以来
②貸出金平残は+6.6%と高水準の増加(数量効果)となったが、価格効果の大幅悪化をカバーできずに、合算効果は▲3.9%と、4月の▲4.3%に続き惨憺たる状況。
一方、
③地域銀行の価格効果は4月の▲5.5%より悪化したものの、5月も▲6.0%に留まった
④数量効果は+3.7%と2019年3月以来となる3%台を回復。合算効果は▲2.2%と依然としてマイナスであるが、2009年3月以降では最も小さなマイナス幅である。
⑤都市銀行の貸出金利は、こんな具合に、あっと言う間に「泥沼の疲弊戦」に逆戻りしてしまった。

「いくら国内貸出が伸びても儲からない都市銀行」という環境から抜け出す事は、やはり難しいのだろうな…