「地域銀行の存在感」を確認する (2020年3月末版)— 業態別預貸金シェアの推移を客観的に眺めてみよう!

2020年3月統計の銀行マクロ統計に関しては、一通り配信を終えたつもりだったのだが、個人的にかなり重視している資料が「放置状態」であった事にプレゼン資料作成中に気が付いた。地域銀行の存在感を確認する」の最新版を遅ればせながら配信する。↓ 

PDF File: BEV-2020-0222

金融全業態に占める貸出金の業態別シェアにおいて、年度末ベースで地域銀行が大手銀行を初めて上回ったのは2017年3月末だった。元々は「大手銀行担当」のアナリストであった私には「かなりの衝撃」であり、もしかすると「一過性」の現象になるかなと予想した時期もあった。

だが、その後はシェアの差は拡大する一方だった。そして、2020年3月末には地域銀行41.4%に対して、大手銀行は39.7%と、シェアの差は1.7%ポイントにまで拡大したのである。

また、今回のCOVID-19パンデミック禍において、資金繰りに苦しむ地元企業をしっかりと支える「信用金庫と信用組合」みたいな事が安易に報じられているが(一昨日もそんな報道番組を視聴した)、信用金庫の貸出金シェアは、左グラフが示すように逓減傾向が続いている。

信用組合に至っては貸出金シェアは1.9%しかない。そう、信金信組合算ベースでもシェアは13.3%で地域銀行の3分の1にも満たないのである。

今のような「荒んだご時世」においては、他人の批判や悪口は一切しないと決めているが、さすがに「客観的データに基づかない情緒的報道」に接するとウンザリする。COVID-19関連も含め、あまりにも信頼性の低い報道が増えてきているので「もうテレビの報道番組を視聴するのはやめようかな?」なんて考え始めている。

「預金」に関してはグラフを見ての通り「大手銀行」のシェア上昇が止まらない。2018年3月末と2019年3月末は37.0%でシェア横ばいであったが、2020年3月には一気に37.5%に上昇した。全銀協や日銀の預貸金速報を見る限り、大手銀行の預金シェアは4月、5月とさらに上昇したのは間違いないだろう。