誰で増えたのか? 何が増えたのか?(⑤要求払預金:2020年4月統計)— 4月の「一般法人要求払預金」は前年同月比22.6兆円の大幅増

「誰で増えたのか? 何が増えたのか?」シリーズは、今日は「要求払預金」編だ。↓

PDF File: BEV-2020-0617

先日配信した「一般公金預金」全体とグラフの形状や預金増加の構造は酷似している。4月になって、一般法人と公金の増加額が一気に拡大する一方、個人は安定的な増加基調を維持し、大きな変化はまだ確認できない。

特に、一般法人の4月の前年同期比増加額は22.6兆円に達し、一般法人の預金全体の増加額21.4兆円を上回っている。この構図は公金も同じで、増加額は要求払2.1兆円に対して、預金全体は1.4兆円である。

では、リーマン・ショックの際の一般法人の要求払預金はどのように変化したかを3枚目資料で確認いただきたい。実は一般法人の要求払預金は2006年夏場からリーマン・ショック直後の2008年10月までは、ほぼ前年同月比で減少が続いていた。

その後は、大企業の手元流動性確保の動きが顕在化し、増加に転じた。ピーク増加額は2009年2月で、前年同月比4.4兆円増加したが、その後の増加額は頭打ちとなった(息が短かった)。

これに対して、足元の状況はまったく異なる。前年同月比増加は2010年6月から実に119ヵ月(ほぼ10年)続いており、COVD-19パンデミック前から10兆円前後の増加が既に続いていた。その勢いが、さらに一気に拡大したのが4月の22.6兆円増なのだ。

私が保有する統計は1993年10月以降のものであるが、一般法人要求払預金の前年同月比増加額の過去最高は2016年11月の27.6兆円である。マイナス金利政策(或いは、異次元金融緩和策)下での法人要求払預金の動きは、リーマン・ショック時と比較する事は意味が無く「未曾有の領域」に足を踏み込みつつある