続 :ちょっと面白い資料、そして、ちょっとイイ話

今週から完全新版の「XYes30」と「G&Vコース」をローンチしたので、残る新コースは「M&R」のみだ。

昨年11月から新講演体系に移行と言っても、それはあくまでも弊社の「会計年度」に合わせた「自己都合」のようなものである。

当初から「実質的移行」は、M&Rコースがローンチ出来る2月最終週以降、実質的に3月~4月からと計画していたので、当面は、講演を続けながらM&Rコース資料の仕上げを急がねばならない。

2月下旬には、これまで1回も訪問した事のない銀行向けの講演も組まれている。

講演で初めて訪れた際に記念撮影する「銀行本店コレクション」は、2017年に106行目を訪問して以降は変化なし。だから、実に3年ぶりに増える事になる。

まだ、私が訪問した事のなかった銀行もあったんだな… とても楽しみだ!

———————–
世の中「地域銀行は元気がない」と思われているのだろうが、決してそんな事はない。こんな厳しい経営環境でも、顧客向けサービス業務利益や中核業務純益(コア業務純益 除く投信解約損益)の増益をしっかりと達成できている銀行は少なからずある。

一昨日もそんな銀行のひとつで「XYes30」と「G&V」で約3時間半、ぶっ通しで講演してきた。その後はそのまま役員さん達と会食。ああっ、本当に楽しかったし、勉強になったな…

「変わり始めている銀行」「変わろうとしている銀行」には「不思議な熱」のようなものが漂っている(間違いなく共通項だ!)。そして、それを銀行内部の人達は気が付いていない。だから、惹かれ、応援したくなる。

「ちょっとセンスのある株式ポートフォリオマネージャーが、私の講演や会食に同席していたら、この銀行の株を翌日から買いまくるに違いない!」なんて思った。

講演を続けていると「ガバナンス構造改革」は着実に進展しているなと実感する。良い例が、下掲の「資本コスト充足率と実績PBRの相関図」に対する理解度である。↓

PDF File: BEV-2020-0207

かつては、弊社の株主資本コスト算定方式をCAPMから解説していたのだが、最近の講演では3ヵ月毎に改定する前提条件を示すだけで十分だ。

講演資料の「定番」に昇格させた頃は「面白い資料ですね。」なんて反応が多かったが、現在では「あって当たり前」の資料化している。

私サイドでも「まあ、株式市場というのは基本的に合理的で、時々は羽目を外しますが、現時点では冷静という事ですね。」なんてコメントで、サラッと済ませてしまう事が多い。

今日の「ちょっと面白い話」は、先に紹介した銀行とは別ではあるが、やっぱり「元気」な先での役員さんとの遣り取りだ。

先週後半の講演で訪問したその「元気系銀行」の企画担当役員さんが、このグラフを眺めてずっと腕組みをしていた。

そして、「地銀の平均的な株主資本コストが6.4%で、先程、今期予想のROEは何%っておっしゃいましたっけ?」という質問が飛んできた。

「単純平均で2.8%弱ですね。加重平均しても3%に届かないと思いますよ。」と答えたら、「では、営業経費を何%削減したら6.4%のROEを達成できるのですか?」と続けての質問があった。

実はこの質問、私はいつかはあるだろうと2年以上も前からから想定していたものだった。待ってましたとばかりに、即座に頭の中に準備してあった数字をスラスラ答えたのは言うまでもない。

「連結ベース合算のまあ、ラフな試算ですが、地域銀行の純資産総額が22兆円弱です。今期の当期純利益は6,500億円弱になると思います。6.4%のROEには1兆4,000億円位の最終利益が必要なので不足額を7,500億円としましょう。実効税率30%とすると、おおよそ1兆1,000億円位は経費削減が必要です。経費全体で2兆9,000億円位なので、そうですね、4割弱(厳密には38%)の経費削減が実現出来たら、Value creatorの仲間入りですよ。」と説明。

「えっ、4割の経費削減ですか… そりゃ、経営統合でも考えなきゃキツいですよね。PBRが平均で0.3倍割り込むのも仕方ないですな~」との感想(呟き)が返ってきた

ああっ、やっとこういう「お洒落なキャッチボール」が出来るようになったんだな…

私にとっては、嬉しく、そして、ちょっとイイ話なのである。