貸出利率7%以上貸出残高の動向(2018年7月版)— 利率7%以上貸出残高の前年同月比伸び率は7月にわずか1.3%にまで低下

新『銀行業界鳥瞰図』では、個別資料の配信頻度は明確に定めずに、私が注目している統計や世間一般(金融業界という意味だが)で「旬」なテーマについての頻度を密にしようと考えている。「カードローン」関連の統計は、そんな条件を満たしている。

そんなわけで、カードローン統計の「代理指標」として私が重視してきた「利率7%以上貸出金残高」の動向を今日はアップデートしようと思う。ベースとなる本年7月の統計は、昨日公表されたばかりである。この資料の説明は7月18日号で配信済み(http://triglav-research.biz/?p=23740)なので、そちらを参照いただきたい。

PDF File: BEV-2018-0831

「利率7%以上貸出 nearly equal カードローン」という私の見方が正しければ、足許、「カードローンの伸び率鈍化に歯止めが掛からない」という状況にある。このグラフだけは、マイナス金利政策導入後もまるで「異次元統計」であるかの如く安定的な残高増を維持していたのだが、やはり「昨年夏場を境に世界は変わってしまった」と言わざるを得ない。その背景についても7月18日号で解説済みである。

グラフでは貸出利率を「7%以上12%未満」と「12%以上」に区分しているが、合算ベースの前年同月比増加額は、4月 1,795億円 ⇒ 5月 1,276億円 ⇒ 6月 807億円 ⇒ 7月 635億円と急速に落ち込んできている。やはりこのビジネスを牽引してきた地銀某行の経営混乱の影響が大きいのだろう。「7%以上12%未満」に限定すれば、4月以降3ヶ月連続で貸出残高は前年同月比で減少している。7%以上合算ベースの前年同月比増加率はグラフのグレーの折れ線グラフで示しているが、7月の伸び率はわずか1.3%。わずか1年前までは「10%以上の残高増が当たり前」の成長分野であったのだが、既に見る影もない。

だが、これだけカードローンの伸びが失速する中で、昨日配信したように「6月と7月の新規貸出約定金利は2ヶ月連続で0.7%超の水準を維持し堅調」である。裏返せば、カードローン分野以外の貸出約定金利が底堅い動きを示している事の証左でもある。