貸出約定平均金利統計(2018年7月版)— 新規貸出約定金利は6月~7月 0.7%超と堅調な動き

昨日から明日までの3日間で、毎月データを更新し続けている統計が一気に8種類も公表される。はて、どういう順番で『銀行業界鳥瞰図』で紹介して行こうか? 真面目に考えるのは時間の無駄なので、対象ファイルを同じフォルダに移してからテキトーにクリックしたら「貸出約定平均金利統計」のファイルが開いた。

最近、講演では「国内貸出業務収益性の数量効果・価格効果分析」資料で、貸出約定金利の動きをサラッと扱うだけになっていたので、単独資料を掲載しておくのも悪くはないだろう。2年程前から、旧『銀行業界鳥瞰図』時代とは、ちょっと異なったスタイルの資料に改良しているのでWeb上では初披露となる。

PDF File: BEV-2018-0830

資料左側の新規貸出約定金利は、月次ベースの変動がかなり激しいので「グラフの形状」が発するメッセージが何よりも重要である。まだ断言は出来ないが、都市銀行を中心に新規貸出約定金利は「底割れ回避感」が再び漂いつつある。 国内銀行ベースでは、本年6月が 0.768%、7月が 0.733%と2ヶ月連続で0.7%超の水準を維持しており「堅調」なのだ。

本年1月から5月の間は0.7%を超えた事は1回もなく、2月には 0.601%まで落ち込んだ後なので「底打ち感」と言いたいところなのだが、まだ油断は禁物である。6月は「都市銀行」、7月は「地域銀行2業態」が堅調な動きを牽引した構図となっている。かつては、新規貸出約定金利に目立った動きがあった際には、その背景を探ろうとしたが、マイナス金利政策導入後はアホらしいのでやめてしまった(貸出金のプライシングメカニズムは瓦解したと考えている)。現在は「結果だけ淡々と追って行く」という姿勢を貫いている。

資料右側のストックベースの貸出約定金利は、上段の約定金利推移と下段の約定金利の前年同月比変化率の2本建てとしている。重要なのは「下段」の方である。マイナス金利政策の影響で2016年11月~2017年1月に各業態軒並み前年同月比で10%程度低下したストックベースの貸出約定金利は、足許は5~6%程度の低下率で推移している。低下率(価格効果)が3%台にまで減速してくれば、貸出増加率(数量効果)と合わせて「預貸金利息収支底打ち(拡大)」の局面が期待出来るのだが、現在の新規貸出約定金利の水準では、まだそんな状況は期待薄である。