広義有価証券種類別残高動向【①国内銀行編】(2018年6月版)— ブタ積み残高が狭義有価証券残高を20.5兆円上回っている

これまで7回に分けて、銀行の有価証券種類別の売買動向(フロー情報)に係る資料をアップデートしてきた。本日からは、先週23日に日銀が公表した「民間金融機関 資産・負債統計」をもとに、有価証券種類別の残高動向(ストック情報)に係る資料を配信する事としよう。

但し、通常の定義の有価証券ではなく、旧『銀行業界鳥瞰図』でお馴染みの日銀当座預金超過準備額(以下、ブタ積み)も有価証券とみなす「広義有価証券」ベースでの資料である。この資料、最近の講演ではページ数の関係で「地域銀行版」のみを掲載する場合が多くなっているが、それなりの「人気資料」である。マーケット部門からすると、自行の有価証券ポートフォリオの特性を把握する上で「ベンチマーク」的活用が可能であるためと推定される。そんなわけで、「国内銀行」や「大手銀行」といった括りでも資料のニーズがある。

まずは「国内銀行版」から紹介する事としよう。年度末ベースの計数14年分と最新統計となる本年6月のデータを作事対象とした。リーマン・ショック以前の残高動向も確認できるので、我が国銀行の有価証券ポートフォリオの推移を把握する上で有益な資料であると思う。グラフ左が「残高推移」、右が「構成比推移」である。

PDF File:BEV-2018-0827

国内銀行版で目立つのは、やはり「ブタ積み」残高の突出であろう。2018年3月に年度末ベースで初めて「狭義有価証券」の残高をブタ積みが上回ったのであるが、本年6月末には、ブタ積み218.3兆円、狭義有価証券合計が197.8兆円とその差(20.5兆円)はさらに拡大した。

狭義有価証券の残高動向を異次元金融緩和策導入後(2013年3月末起点)で振り返ると、目立った動きを示したのは ①国債残高の急減(2013年3月末 166.6兆円 ⇒ 2018年6月末 69.1兆円 ▲58.5%)②ファンドその他残高の大幅増加(同 5.5兆円 ⇒ 18.2兆円 3.3倍増)であろう。